侍れっどの明日できることは明日やれ

徒然なるままに筆を書き連ねます。

アジャイルはなにをするのか、なにを繰り返すのか

この記事はレッドジャーニーのアドベントカレンダー2日目として書いています。

adventar.org

 

はてさて、今年も気づいたら12月が来ていて、気づいたらアドベントカレンダー2日目が私ではないですか。。。

昨日は、田中くんがアジャパンのことを書いていますのでぜひよんであげてください!

note.com

 

 

 

前説

アジャイルの世界が日本に馴染み始めて早20年以上たつと言われている今日このごろなわけですが、やはりまだまだアジャイルへの理解、アジャイルとは、みたいなところが噛み合っていないのだなぁということを感じることがたびたびあります。

ちょっとだけそこの誤解を紐解くきっかけになったらとおもい、今日のお話を書いていきます。

 

アジャイルは小さく繰り返す?

「アジャイルは小さく繰り返すんでしょ?」

これはしごくよく言われるフレーズです。

言っていること自体はわかりますが、実際"何"を"どれくらい"で"なぜ"繰り返すのでしょう?

 

何を繰り返す

アジャイルが”何”を繰り返すのか。それは、「実験」と「実装」です。

 

実験

よくアジャイルコーチが「ちょっとだけチームで実験してみたらいいよ」みたいな声掛けをする現場を目にします。

ここでいう実験とは、例えば効果があるかよくわからないけどよさそうだからちょっとだけやってみて検証してみる、みたいな活動です。

例えば、「毎週このフォーマットで報告しているけどやめてみる」とか、「ふりかえりをKPTでしかやったことがないけど、Timelineにしてみる」とかそういう日常の営みから一歩外れた『非日常』に踏み込むことです。

そういう意味だとそれくらいのことやっているよって思いますよね。おそらく皆さんには"アジャイルをやろう"とするカイゼンマインド自体は持ち合わせているからです。

 

なぜ実験という言葉を使うのか。それは、実験は成功が保証されていないことを前提とするからです。実験の先にあるのは、成功か失敗かと、実験からの学びだけです。

実験なのだから、うまくいかなかったことを反省会する必要などありません。やってみたら(あるいはやめてみたら)よさそう、という何かしらの筋をちょっとだけ辿ってみて、それが勝ち筋なのか負け筋なのかをはかる短期の学習プロセスだと思うことが大切です。

 

実装

じゃぁ実験をしてみたものの、その結果を受けてどうするのか。それが「実装」です。

実装というと言葉はかたいかもしれませんが、実験したものをチームや組織の営みに定着させる必要があります。

チームや組織によって形は異なりますが、それをワーキングアグリーメントに追加したり、開発プロセスを修正したり、スクラムイベント(セレモニー)に手を入れたり。。。そういったカイゼンを『日常』に落とし込むことで”アジャイルになろう”とする活動のことです。

 

あえてこれを明示的に行いたい場合は、ふりかえりのプロセスの中で、「スタート、ストップ、コンティニュー」などを使っていくとよいかもしれません。

 

 

どれくらいで繰り返す

小さくという言葉があらわすものは定量的ではなく定性的なものです。

但し、今より小さければよいという相対比較をすればよいものでもなければ、小さければ小さいほどよいというわけでもないというところが難しさでもあります。

ここでいう難しさとは、何も考えずにやれるわけではない、ということです。

 

では、どれくらい小さければいいのか。それは、結局実験の大きさによります。

実験をすることで得られるフィードバックが検証できるサイズでやれていないと意味がありません。その最小単位、プロダクトでいうところのMVPかどうかが小ささの基準になります。

 

そうすると、小ささには物事ひとつひとつに実験の大きさがかわるから、イテレーティブなタイムボックスに収まったり収まらなかったりするじゃないかとなりますよね。

そうなんですよ、そんななんでもかんでも1スプリントで検証しきれるとかあるわけありません。個別最適化が必要なのです。

ただ、一つだけ言えるとしたら、1スプリントで検証できるサイズで実験できないか、を考えてみることは、もっとMVPを尖らせられないかと考えるのと同じく、アプローチの一つとしては受け止めてもいいのかなと思います。

 

 

なぜ繰り返す

ここまで、実験と実装を繰り返し、日常から非日常に踏み出して、良きものを日常に取り込むのだという話をしてきました。

これはすべて、チームや組織の学習プロセスの1つであり、成長のためのカイゼン活動だからです。

学びや成長を不要とするならば、カイゼン活動もいらないですし、アジャイルである必要がない、ということなのかもしれませんね。

 

 

まとめ

私としては、チームや組織の中における文脈を前提に読めるようここまで書いてきました。

ただ、視野の広げ方というのは多分にあって、「実装」は自分たちの『日常』にする活動なのでどうしても主体は自分たちですが、「実験」は別に必ず自分たちで行わなければいけない理由はありません。

「隣のチームのカンバンボードをみせてもらおう」みたいな話はよくありますが、見るべきは「カンバンボード」ではなく、「カンバンボードに工夫されたポイントのその裏にある背景、コンテキストを教えてもらおう」ということを意図しています。

つまり、何かしらのおかれた「状況」に基づいて、『非日常』に踏み出した「実験」をした結果、よきものを「実装」し『日常』としているわけで、自分たちと「状況」が近しいほど他者の「実験」もインプットにしてよいのです(自分たちの「実装」に値するかの「実験」は必要ですよ)。

これがハンガーフライトということなのですね。

 

みなさんがアジャイルをやってみて、アジャイルになっていくという実験と実装の繰り返しを楽しんでくれることを期待します。

 

いやー長かった!

明日はレッドジャーニーのぺこーらですねw

お楽しみに!