どうして階層型OKRを運営するのは難しいのか

この記事はレッドジャーニーのアドベントカレンダー16日目として書いています。

 

昨日は田中くんがChatGPTセンセイをつくってみたお話しをしています。

ぺこーらと田中くんは『ChatGPTと学ぶ』シリーズなどのイベントもやっていますので、そちらも要チェックですよ!(来年もやるのかはしらないけどw)

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OKRやっていますか?

なんか社会現象的に目標設定にはOKR!みたいな盛り上がりが数年前にあった気がしますが、みなさんの会社?組織?プロダクト?チーム?ではどうですか?

最近は少しその辺も落ち着いてきて、単なるバズワードからもう少し地に足がついた議論がかわされるようになってきた気がしています(気のせいかもしれません)。

海外でも日本でもいくつかの素晴らしい成果につながっている事例も見聞きすることはありますが、実際のところ、みなさんの体感として、OKRがうまく機能していると思えている人はどうでしょう?あまり多くないのではないかなという印象です。

では、なぜOKRがうまくいっていないと感じるのか、私の見てきた事例からパターン化して考察してみたいと思います。

 

階層型OKRには大別して3パターンある

Pattern1:やることに集中!型

これは見ての通り、上位で決めたKRを下位の層でまるっと受け止めるものです。

メリット

上位の階層で決めている指標をダイレクトに追いかけていくので、目標が明確であり、そのための主要な結果指標やタスクを考えるのが非常にわかりやすいです。

デメリット

上位のOを意識するわけではないので、普通にこの形をとらえると、自分たちが本当は何(大もとのOなど)を達成するためにこの下位層のOKRをやっているのかわからなくなりやすいです。

盲目的に指標だけを追いかけることになる可能性もあるため、定期的に上位層とゴールに向けた活動になっているかの相関をチェックすることをおすすめします。

相性の良い組織

比較的小規模、特に熱量の高い創業社長がぐいぐい引っ張っているベンチャーや、圧倒的ブルーオーシャンの中で方向性が目に見えている企業においてはこの形式をとることもわかりやすいと思います。

特に、ベンチャーなどで組織や社員がまだ若く、スキルを磨いている時期であれば、集中して目標に向かえる環境に役立つかもしれません。

 

Pattern2:上位憑依型

下位のOの設定には上位のOから落とし込むことで本質的なつながりを維持しつつ、その方向性は上位のKRに倣うので自分たちの意思というよりは上位の意思を自分たちの形にして纏うような形となります。

メリット

自分たちの活動がOの連続性が担保されることで目的を見失う可能性は低くなります。

デメリット

上位KRに倣うため、下位KRの指標が下位のスコープに応じた按分の指標となりがちです。また、上位KRに倣って下位KRを定めることになるため、上位KRの設定が絶対的に正しいと思えるものでないとやる意味があるのかの疑問を生じるかもしれません。

その場合の修正には上位のOKRを含めて通しでアライメントをとる必要がある点が注意です。

相性の良い組織

多くの組織はかなりこれに近いパターンを採用していそうですが、このパターンを採用することで違和感を覚える人たちが多いようにも感じます。

プロダクトと企業の姿勢でいえば、企業の姿勢に共感を覚える社員が多い会社にこのパターンが合いそうです。企業の姿勢としての目的と結果指標を共有することがそもそも容易だからです。

 

Pattern3:上位下位合意型

これは一見すると複雑ですが、目的と指標のすり合わせで考えると、一番理にかなっています。下位が上位のOを見たときに、上位のKRはこうであるほうがいいのではないか、という提案をし、複数の下位からあがってくるKR候補を総じて眺めて大事なKRを選定あるいは修正して確定する、というもので、上位の視点での意思だけでなく、下位からみた意思も反映されているところがポイントです。

もちろん、OKRはやることすべてを書き出すわけではないので、別に上位KRに採用されなかった下位の提案したKRをやらなくていい、ではなく、より上位KRに定義されたものを大事にした上で必要ならやる、というものと理解することになります。

メリット

上位が上位の視点だけでOKRを立てるのではなく、下位が上位Oを意識したときにどんなKRを定めるべきか視点と視座をあげて提案することで、下位OKRとも強い結びつきが得られます。納得度という意味では増しやすくなるでしょうし、否が応にも上位を意識しなければいけないので、結果も自ずと上位につながる結果を出すことが約束されやすいはずです。

デメリット

図では上位と下位の組織が1:1で描いているのでシンプルに見えますが、実際は上位と下位は1:4などの場合もあるわけですね。
さらにその下にも下位の組織がついてきて同じ活動をしていくとなると、とんでもなく時間がかかります。

とにかくこのパターンの一番のデメリットは決定までのプロセスにおける登場人物が増えれば増えるほど決定に異様に時間がかかるところです。

相性の良い組織

Pattern2の逆で、プロダクトへの愛着や意識で強く結ばれている組織に合うのがこのパターンだと思います。特に上位はプロダクトの言いなりになるのではなく、組織戦略からの調整役として機能することで、方向性を強く打ち出すことができます。

 

結局どうしたらいいのか

なにが階層型OKRの運用を難しくさせているのか。

それは、同じOKRというフレームだったとしても、運用一つで効いてくるポイントがぜんぜん違うものになってしまうところです。

上に書いた分類は、あくまで一つの私の見方にすぎませんが、もしかしたら同じ組織だからといって全社統一で同一のPatternを描けないケースもあるのかもしれません。

一番大切なのは最上位Oという目標に対してどうしていくのがよいのか、なのでその観点で自分たちの組織に最適なPatternを見つけるしかないと思います。

借りてきたフレームやPatternでうまくいく可能性は。。。残念です。

 

付録

Oの定め方の設計は検証のスパンとの間で詰めていくことになります。

例えば、組織で年度の計画的目標を遂行するようなケースをイメージしてOKR設定のフレームを作ってみたものが下になります。

特に今回の3パターンとは関係なく、OKRの決め方やOKRの追いかけ方の一つの例なので、どのパターンでも使えるでしょう。

ゴールをどう据えて、どのタイミングで何をするかをしっかりと設計しておくこともOKRの運営の大事なポイントです。

 

さて、12月も折り返しを過ぎました。

今年もあと少し。

明日のぺこーらにもご期待ください!